戦わずして勝つ!芸術的すぎる特級大師の勝ち方!

はじめに

今回は、最近管理人がシャンチーの勉強をする中でとても印象に残った特級大師の勝ち方のテニックを紹介したいと思います。

勝ち方ということで残局(終盤戦)の局面になるのですが、普通のアマチュアではまず考えつかないであろう見事な手順で、シャンチーの奥深さや面白さを感じさせるものになっています。

問題として考えると少し難しいと思うので、肩の力を抜いて芸術鑑賞のように楽しんで頂ければと思います。

手順の解説

それでは早速実際の手順に移りましょう。

今回紹介するのは2011年の対局で郑惟桐さんが指した手順です。

郑惟桐さんといえば現在のシャンチー界を牽引する非常に有名な特級大師ですが、年齢から考えると当時はまだ高校生くらいの年齢だったのではないかと思います。

やはり棋類で大成する人は早熟の天才なのかなと改めて感じました。

少し話が脱線しましたが、まずスタートは下の画像の局面からです。

この局面は紅が「車砲双兵士相全」、黒が「車馬士象全」ということで双兵がある分だけ紅が優勢です。ただまだ必勝とか必和とかそういう段階ではなく、このあとの指し方次第で紅が勝てるか和になるかが変わってきます。統計的には大体勝ちと和が半々くらいの駒割です。

  1. 車四退一 車9退4
  2. 相五進三 馬5進4
  3. 砲五退四 馬4進3
  4. 士四退五 車9退5(下の画像)

まずは紅は黒の馬5進7を防がなければならないので車四退一としますが、黒は車9退4とテクニックを見せました。これは車四平一と車を取ると、馬5進7から車を取り返され、状況が「砲双兵士相全対馬士象全」と変わってしまいます。これは基本的に和の残局です。

したがって車交換には応じれないのですが、ただ車が逃げるのではなく、相五進三と黒の馬への圧力を維持したまま車交換を避けたのは好手です。そして馬5進4のジャンに対し砲五退四と砲でジャンを防いだことで、砲の位置も安定しました。次に黒は何もしないと紅の士四退五が馬取りと車四進五の殺の妙手になるため、馬4進3と相を取りましたが、それでも士四退五として鉄門栓の形が完成です。黒は車9退5と引いて底線を守るしかありませんが、これでこの車は自由に動けなくなってしまいました。

  1. 兵七進一 馬3退2
  2. 兵九平八 馬2退4
  3. 車四進一 馬4進2
  4. 砲五進二 馬2退1
  5. 車四退二 馬1進2
  6. 士五進六 馬2退3
  7. 士六進五 馬3退5
  8. 車四進二 馬5進3(下の画像)

黒の車を牽制できたので、あとは左辺の2枚の兵をひたすら進めて行くというのが普通の人の考え方でしょう。間違えなければこれでも十分勝てそうです。

ただ郑惟桐さんは七路の兵が河を渡っただけで、これ以上兵を前に進める動きを見せません。その代わりに、相手の馬の動きを牽制しながら自陣の整備に手数をかけます。特に士の組み替えなんかは、「一体何をしてるんだろう?」という感じですが、これもちゃんと意味のある手です。

12回合黒は馬5退4と自陣に引く手も考えられますが、これだと馬の進路が非常に狭く、兵七進一からゆっくり馬を取られてしまい紅の勝ちとなります。よって馬5進3と前に逃げるしかありません。

  1. 相三退五 馬3進1
  2. 車四退二 馬1進3
  3. 兵七平六 車9平8
  4. 相五進七 馬3進1
  5. 砲五退二 (紅勝、下の画像)

12回合で黒はより馬の進路が多い前に逃げたのですが、それでも紅は華麗なテクニックを使って馬を追い詰めて行きます。

河の手前の線は砲と相と兵の連携で封鎖し、卒林線は車の利きで封鎖、そして前に出てきた馬を今度は砲五退二と砲の横利きを使って封鎖して勝負ありです。

ここまで来ると分かるのですが、事前に陣形整備で士を組み替えたのは砲五退二で砲の横利きを生かすためでした。

画像の局面からさらに指し進めるなら馬1進3くらいですが、相七退九、馬3退1と進み、黒は馬を動かすことができません。

車は牽制されているので縦に使えず、馬も動かせないということで黒は何もできないので、紅はゆっくり2枚の兵を進めていけば何の危険もなく勝ちとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

兵を進めて直接的に勝ちにいくのではなく、自分の駒を最大限活用して相手の身動きを取れなくし、戦わずして勝つというのは凄いテクニックですよね。

これなら攻撃する中で間違って戦力を削られるような心配もないですし、せっかくの黒の車に対する牽制を解除される心配もありません。なので芸術的でありながらも、実戦的に一番安全で確実な勝ち方と言えるでしょう。

難易度が高いので我々がすぐに応用するのはなかなか難しいですが、こういう考え方やテクニックがあることを知って、シャンチーの面白さを再発見していただければうれしいです。

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