シャンチー上級者向けの殺法チャレンジ問題の第2回です。
今回ジャンの連続ではないタイプの殺法問題ばかりを4題用意しました。
相手の手を限定できないため難易度も高いですが、ぜひ挑戦してみてください。
問題⑤
13手詰め(最後の一手以外はジャンをかける手はなし)
問題⑤の解答
- 砲五平一 士6進5
- 帥四平五 象1進3
- 砲一平七 象3退1
- 砲七退一 象3進5
- 砲七平五 象1退3
- 帥五平四 象3進1
- 兵四進一 (紅勝)
紅の駒は砲と兵が一枚ずつで、砲の土台となる士や相が一枚もありません。
通常であれば問題なく和になる情勢ですが、この場合は上手い手順があります。
まずは砲が右辺に移動し、次に砲一進七、士6進5、兵四進一の詰めろをかけます。
黒はこれを受けるために士6進5とするより仕方ないですが、そこで帥四平五とするのが非常に重要なポイント。これで黒の士は動けなくなりました。
その後は象を中央に上がらせて鉄門栓の殺を狙いに行くのが正解で、4回合の砲七退一(正しく手待ちできれば他の手でも可)は象1進3と上がらせない上手いテクニック。
その後は帥を移動させて、少ない戦力をフルに活用した見事な詰め上がりとなりました。
問題⑥
15手詰め(途中ジャン以外の手が複数あり)
問題⑥の解答
- 兵七進一 将4退1
- 兵七進一 将4平5
- 馬八退六 砲7退1
- 馬六進四 砲7平6
- 馬四退二 卒1平2
- 馬二進三 卒2平3
- 馬三退四 卒3平4
- 馬四進六 (紅勝)
2度兵七進一と進むことによって兵が底兵になってしまいますが、これにより馬八退六が次に馬六進四と馬六進七の両方の詰みを見る好手になります。
これを一度に両方受けるのが黒の砲7退1で、以下4回合の馬六進四、砲7平6で普通はここで攻めが終わってしまいます。
しかしこの局面では馬を立て直すのが好手で、手数は少しかかりますが先ほどとは逆の士角馬の位置を目指します。
途中黒は卒以外にも砲や象が動けますが、結局あまり意味がなく紅の攻めを防ぐことはできません。
黒は頼みの綱の卒が中央に回って帥の利きを防ごうと頑張りますが、一手足らず紅の士角馬が見事に決まって詰め上がりになります。
問題⑦
11手詰め(途中ジャン以外の手が複数あり)
問題⑦の解答
- 砲二進六 将4進1
- 砲四退二 将4退1
- 帥五進一 将4進1
- 砲二退四 将4退1
- 砲二平六 士4進5
- 砲四平六 (紅勝)
紅は砲が2枚ありますが、その土台となる士や相など他の駒が何もありません。
したがって通常は戦力的に和になる状況ですが、ここでは駒の配置の妙で紅に上手い勝ち筋がありました。
一度ジャンをかけたあと砲四退二と引くのが最初のポイントで、これにより黒は象が全く動くことができません。
なおもしどちらかの士があがれば、正解手順と同じ進行で1回合早く詰んでしまいます。
よって将4退1とするしかありませんが、ここで帥五進一と手待ちをするのが2つめのポイント。
これには黒は将が上がる一手ですが、これよって正解手順で紅が重砲を目指した際に、黒の将は逃げ遅れて詰んでしまうことになります。
最後に紅の注意点として、先に砲四平六とすると象7退5から将4退1、将4平5と逃げ道を作られてしまい詰みません。よって二筋の砲が先に引き、重砲による詰め上がりとなります。
問題⑧
殺(詰めろ)の連続で相手を追い詰める問題
模範解答は21手詰め
問題⑧の解答
- 兵五進一 将4退1
- 車四平六 将4平5
- 車六平七 将5平4
- 車七進三 将4進1
- 車七退二 将4退1
- 兵五平六 将4平5
- 兵六進一 将5平6
- 車七平四 将6平5
- 車四進一 馬3退5(何でも可)
- 兵六平五 将5平4
- 車四進一 (紅勝)
まず局面を整理すると、黒の方が馬と二枚の河を渡った卒がいる分戦力的には上で、次に馬3退5とされると紅は相当大変な状況になってしまいます。
ただ現状紅陣に即詰みはなく一手の余裕があるので、兵と車でうまく殺(詰めろ)を連続しながら必至(次に必ず勝てる状況)まで持って行ければ紅の勝ちになります。
正解手順のポイントは5回合(9手目)の車七退二で、一見地味ですがこの手を発見できるかどうかが勝負の分かれ目でした。
車七進三、車七退二を入れず4回合で単に兵五平六だと、将4平5、兵六進一 将5平6と正解手順と同じように進んだ場合に車で士が取れないのでこれ以上攻めが続きません。
手数は長いですが、車七退二が発見できればあとは自然な手順で追い込んでいくだけなのでそれほど難しくはないでしょう。
コメント
殺法問題作成ありがとうございます!
いつも楽しく見ています(*´▽`*)
最後の問題、下の手順で考えていました。
最初にたまたま3回合で士が下がる方を先に考えて
下の手順の途中で黒が車をすてて、
紅がそれをとって続けて卒でもとれば
21手ぐらいかなと思って答え合わせをしようと思ったら
将が出ていて、慌てて将が出るパターンを考えました!笑
(そうだよね。最終問題が簡単になるわけないよね。と思いました。笑)
1 兵五進一 将4退1
2 車四平六 将4平5
3 車六平七 士6退5
4 車七進二 士5退4①
5 車七平二 将5平6
6 兵五平四 将6平5
7 兵四進一 次 車二進一
① 将が動けば兵五進一
また次の更新も楽しみにしています!^^
コメントありがとうございます!
確かに3回合では士6退5のほうが自然な手ですね。
私も実戦で時間がなかったらこの手を指す気がします(汗)
もし黒が士6退5とした場合のその後の詰み筋は、書いてくださった順で完璧です。
こちらの方が早く詰むのでメインの正解手順ではないですが、
十分に考えられる変化で解説しておくべき順でした。
今後ともよろしくお願いします!