殺法中級 応用問題⑥

この記事では、前回に続いて殺法紹介③で解説した「鉄門栓」「双車錯」「夾車砲」「大胆穿心」の4つの殺法の応用問題と解説を掲載しています。

全て紅番で手数は9~17手詰めです。

手数が長い問題もありますが、基本の殺法の形を意識すれば決して難しすぎる問題ではありません。頑張って考えてみてください!

問題⑰

殺(詰めろ)の連続で相手を追い詰める問題。

模範解答は9手詰め

問題⑰の解答

  1. 帥五平六 車3退1
  2. 馬七進九 砲8平3
  3. 砲二平七 砲3退3
  4. 馬九進七 車3進1
  5. 車六進四 (紅勝)

初手は帥五平六の一手で、これ以外で例えば先に馬七進九なんかだと、車6平5、帥五進一、砲8進2で逆に詰まされてしまいます。

黒は車3退1しか受けがありませんが、ここで馬七進九と入るのがポイント。

これは次に馬九進七とし車3進1と上がらせて、車を底線の守りからはずそうという狙いです。

黒は砲8平3と必死の粘りを見せますが、砲二平七と黒の砲の守りをブロックし、先ほどの順から鉄門栓での詰め上がりとなります。

問題⑱

17手詰め

問題⑱の解答

  1. 車二進七 象5退7
  2. 車二平三 士5退6
  3. 車三平四 将5進1
  4. 後車進三 将5進1
  5. 後車退一 将5退1
  6. 前車退一 将5退1
  7. 後車平五 士4進5
  8. 車五進一 将5平4
  9. 車四進一 (紅勝)

17手詰めとかなり手数が長いですが、局面自体は単純で分かりやすいので中級に分類しました。

初手の車二進七に対して士5退6だと車二平四からすぐに詰んでしまうので、ここは象を捨てて上部の空間を空けるのが黒の好手。

象をとって士5退6とした局面がポイントで、ここで車四進四としてしまうとジャンはかかりますが即詰みはありません。

なので車三平四と士を取るのが正解で、その後は上手く車を使って将を下段に落とし最終的に詰めあがりとなります。

この手順の双車錯の詰みは、知っているか知らないかという知識の部分もあるので、もし分からなかった方はこれを機会にぜひ覚えておきましょう。

問題⑲

11手詰め

問題⑲の解答

  1. 前兵平四 将5平6
  2. 車二進二 将6進1
  3. 兵三進一 砲7退4
  4. 砲二進四 砲7退1
  5. 砲一退二 将6退1
  6. 車二平三 (紅勝)

問題の局面では紅の駒が右辺に固まってしまっており、車や砲といった強力な駒が使いづらくなってしまっています。

そこで兵を2枚とも捨てて、2枚の砲と1枚の車で夾車砲を狙いに行くのが正しい手順。

初手の前兵平四に将5進1は車二進一で即詰みですし、3手目の兵三進一に将6平5も砲二進四で即詰みです。

なお大したことではないですが、一応注意点として4回合(8手目)に黒が砲7退1と逃げる手があるので11手詰めとなっており、それ以外の逃げ方だと9手で詰んでしまいます。

この場合はただの手数稼ぎなだけですが、時々受けの好手になる場合があるので、読み落とさないように注意しましょう!

問題⑳

11手詰め

問題⑳の解答

  1. 車三平四 将6平5
  2. 車四平五 将5進1
  3. 車六進三 将5退1
  4. 車六進一 将5進1
  5. 車六退一 将5退1
  6. 砲八進三 (紅勝)

まずは初手の車三平四がポイントで、将6進1と車を取ると砲八平四で即詰みになります。

もし黒の卒がいなければ砲6進7とジャンを回避する筋があるので、この微妙な違いは要確認です。

将6平5の後に車四平五と士を削ってしまうのが第二のポイントで、これで黒は詰み形になります。

将5進1ではなく士4進5でも同様の詰み筋で詰みますが、士4進5の方が1回合速く詰んでしまうので、本譜の順が正解です。

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