この記事では、殺法紹介②で解説した「馬後砲」「重砲」「天地砲」「悶殺」の4つの殺法の応用問題と解説を載せています。
全て紅番で9~13手詰めと手数は長いですが、基本をしっかり抑えていれば解ける問題ばかりです。
1問1問じっくりと考えてみてください!
問題⑬
13手詰め
問題⑬の解答
- 馬二進三 車6退2
- 車二進五 士5退6
- 車二平四 将5進1
- 車四退一 将5退1
- 車四平六 将5平6
- 車六進一 将6進1
- 馬三退四 (紅勝)
第3回合で車二平四と士を取るのが最大のポイントでした。
この場合、車は馬で釘付けになっているので車六退一とはできませんし、砲が効いているので将5平6ともできません。
よって将5進1とするより仕方ないですが、車四退一が決め手となる一手。
将5平6と取ると馬三退四で詰みなのでこれもよけるしかないですが、結局最後はこの形に持ち込んで詰め上がりとなります。
問題⑭
13手詰め
問題⑭の解答
- 砲八進一 将5進1
- 車八進八 将5進1
- 砲九退二 士4退5
- 車八退一 士5進4
- 車八退一 将5退1
- 車八進二 将5退1
- 砲九進二 (紅勝)
手数は長いですが、指し手自体は盤上この一手という手が多かったので考えやすかったのではないでしょうか?
一番のカギは5回合の指し手で、ここで行き詰まってしまった人も多いのではないかと思います。
ここでは車を引くのが正解で模範解答は車八退一としていますが、何個引いても構いません。
これに対し再び士4退5だと砲八退二で重砲の詰みとなってしまうので、将5退1とするより仕方ないですが、再び車が入って将を下段に落とし最後はやはり重砲での詰め上がりとなります。
問題⑮
殺とジャンの併用で相手を詰ます問題。
模範解答は9手詰め
問題⑮の解答
- 砲八進三 将5平6
- 車六平四 将6平5
- 帥五平四 車8退8
- 車四進四 卒3平4(何でも可)
- 車四平五 (紅勝)
砲八進三は次に車六進五で詰みで、他に適当な受けがないので将5平6の一手。
その後3回合では、車四進五の詰みを防ぐ手は車8退8の一手。
そして4回合の車四進四がポイントで、次の車四平五が天地砲の典型的な詰め上がりの形になります。
黒はこれを防ぐ手がないので、何を指し手も紅が次に車四平五として勝ちです。
問題⑯
11手詰め
問題⑯の解答
- 砲九平六 砲4進5
- 馬七退六 士5進4
- 馬六進四 士4退5
- 馬四進六 将4進1
- 砲六退三 砲4平5
- 士五進六 (紅勝)
恐らくまず思いつくのが馬七進八から馬後砲を狙いに行く順ですが、将4退1、砲九進五に象5退3と引かれて後が続きません。
したがって砲九平六から攻めていきますが、車を抜かれてしまうのでちょっと指しづらいですね。
正解手順ではさらに馬まで捨てた後、砲六退三と相手の駒を取って引くのが妙手になります。
また馬を捨てる前に馬六進四と進んだのは、黒の将4平5を防ぐ意味も含まれています。
最終的には砲と士だけで綺麗な悶殺のできあがりです。
中級に分類しましたが、結構難易度の高い問題だったかもしれません。