掲棋(うつぶせシャンチー)のあれこれ

今まで技術的な話をしてきましたが、掲棋シリーズの最終回として最後にあれこれ書きたいと思います。

難しい話はないので気楽に読んでくださいね。

和(引き分け)の割合

シャンチーでは上級者になればなるほど引き分けの割合が高くなり、プロ同士の対局だと少なくとも3割くらいは和(引き分け)になっています。

ですが掲棋の場合は大きく異なり、滅多に和になりません。

ちゃんとした統計データは分からないので私の天天象棋での個人的データになりますが、300局ほど指して和はたったの3局だけでした。

もちろん天天象棋の掲棋のルールが10分切れ負けなので和になりにくいという点は考慮しないといけませんが、和だったのにどちらかの時間が切れたという記憶もないですし、和になりにくいのは確実です。

理由を考えると簡単で、シャンチーでは守備専門の士と相が掲棋では攻撃にも参加出来るため、最後の最後まで両者攻め駒不足という状況にはなりません。

そのため駒が少なくなった終盤でも相手をしっかり詰ますことができますし、また殺法のバリエーションも豊富です。

それに加えて掲棋では運の要素もあるので、全く同レベルのプレイヤー同士で対局しても形勢互角の状態が続くことはありません。

そうしたことから滅多に和にはならないのです。

ちなみに和になった3局の中で2局は千日手による和でした。

これはシャンチーと同じで、互いに反則にならない形で同じ手順を繰り返したため、対局が進まず和になったというケースです。

残りの1局は合意による和でした。

その対局は終盤で私の方が優勢になりましたが、切れ負けなので勝ちきるには残り時間が足りるか微妙という状況でした。

そんな中相手から和の提案が来たので、受け入れたという形です。

なのでこれは実質的には和ではなくちゃんと決着がつく対局でした。

シャンチーから応用できる力

シャンチーと掲棋は似ている部分も多いため、シャンチーが強い人は掲棋の上達も速いです。

ではここでシャンチーのどういった力を掲棋に応用できるか考えて見ましょう。

まず開局ですが、シャンチーと掲棋では全く別物なのでシャンチーの開局知識は何の役にも立ちません。残念ですね。

続いて中局ですが、これは応用できる部分が大きいと思います。局面の判断、駒の運用力といったシャンチーの中局の力は、掲棋にも通ずるところが大きいです。ただ士相の動きや裏になった状態の駒など独特の部分もあるので、このあたりは経験を積んで掲棋にアジャストしていく必要があるでしょう。

次は残局ですが、実用残局などの知識という面で言えば開局同様全く役に立ちません。そもそも士や相が攻めにも使える時点で全くの別物ですからね。

ただ残局段階では裏の状態の駒もかなり減っていますし、単純に終盤戦での局面判断や駒の運用力といった意味では、中局以上に応用できる部分もあるでしょう。

最後に殺法ですが、これは非常に応用しやすい部分です。掲棋の殺法はシャンチーの殺法をベースにして、士や相がバリエーションとして加わったといった感じです。

そのため基本的なシャンチーの殺法を理解していれば掲棋の殺法にもすぐに対応できるようになりますし、逆に言えばシャンチーの殺法が苦手な方は掲棋で上級者になるのは難しいでしょう。

まとめるとシャンチーから応用できる部分としては、中残局の力(実用残局の知識を除く)と殺法の力ということになります。

開局や残局の知識面が応用できないということを考えると、シャンチーを頭で覚えた(本などで勉強して強くなった)タイプより体で覚えた(大量の実戦経験の中で強くなった)タイプの人のほうが素早く掲棋に適応できるのではないかと思います。

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記憶力の必要性

掲棋の初期配置の局面は帥と将以外の全ての駒が裏返っているので、私が初めてそれをみたときは「神経衰弱みたいだな」と思いました。

そのためきっと強くなるには記憶力を鍛える必要もあるのだろうと勝手に推測していました。

ただ実際やってみた経験から判断するに、このゲームに記憶力は全くいりません。

対局中に自分や相手が取った駒が隠されるわけではないので、何かを覚えておく必要がないのです。

代わりに必要なのが推理力ですが、これは現状分かっている情報から推測して考える力なので、記憶しておくことに比べたら脳の負担はかなり軽く感じます。

こうしたことから、掲棋は単純に記憶力が優れているとされる子どもや若者有利のゲームではないですし、毎回脳をフル回転させて対局後疲労困憊になるようなゲームでもありません。

そのため敷居を高く感じず、いろんな方に気軽に遊んで頂ければと思います。

掲棋をやりすぎると・・・

掲棋にハマってそればかりしていると、脳が完全に掲棋モードになってしまいます。

すると普通にシャンチーをしていても、相が河を渡る手が頭に浮かんだり、士が九宮を出て相手の駒を取る手を自然に思い浮かべてしまうのです。

しばらくシャンチーばかり指すとまたシャンチーモードに切り替わるので大丈夫ですが、対局中余分な読みに時間を取られないためにも、シャンチーの大会などが近づいたら掲棋は少しお休みしたほうが良いかもしれませんね。

それでは今回を含め全8回の掲棋シリーズはこれで終わりです。

皆さんもぜひ掲棋を楽しんで見てくださいね!

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