掲棋(うつぶせシャンチー)をやってみよう!

今回から8回に渡って、シャンチーの道具を使った別の遊び方「掲棋(うつぶせシャンチー)」について紹介していきます。

掲棋とは

掲棋はシャンチーの道具を使った別のゲームで、中国語風に読むと恐らく「ジエチー」のような発音になると思います。ただ日本人の間ではそれほど普及した言葉ではないので、「うつぶせシャンチー」といった方が伝わりやすいかもしれません。

また正確には漢字は「掲」ではなく「揭」で「揭棋」が正しい中国語の表記になるのですが、調べてみるとどちらも同じ意味の漢字だそうです。

日本では「掲」のほうが学校でも習う一般的な常用漢字なので、このサイトでは「掲棋」で統一して表記します。

このゲームはシャンチーの亜種のような存在なのですが、実に良く出来ていて非常に面白いゲームなので、本場中国でも愛好者が多くいます。

運の要素もあるので真剣勝負というよりかは気楽に楽しんで指すといったイメージが強いですが、中国では掲棋の大会があるという話も聞いたことがありますし、ちゃんとした頭脳ゲームとしてやっても十分面白いです。

シャンチーを知っている方ならルールもすぐに覚えられるので、ぜひ皆さんもやってみてください。

掲棋と管理人(読み飛ばしOK)

シャンチー研究所で突然掲棋の紹介が始まってなんなんだと思った方もいると思うので、簡単に経緯を紹介します(本筋とは関係ないので、興味の無い方は読み飛ばして頂いて構いません)。

管理人自身は掲棋の存在とルールは以前シャンチー仲間に教えてもらって知っていましたが、そのときはそれほど魅力を感じずルールだけ一応知ってるという状況が続いていました。

ただ最近*天天象棋に入っている掲棋を何気なくやってみたところハマってしまい、それ以来300局ほど対局しランクも8-1まで上がってきました。

普通のシャンチーでランク8ー1だと十分上級者の領域なので、そこから考えるとおそらく掲棋でも上級者の仲間入りが出来たのではないかと思っています。

個人的にはまださらに上を目指そうと思えばその余地はありそうな気がしていますが、これ以上やるとシャンチーがかなり疎かになりそうなので、一旦ここで一区切りつけて今までの対局で得た技術などを記事として残しておこうと思い、この記事を書き始めました。

なおこのサイトで紹介する戦略などは全て管理人が実戦を通して試行錯誤しながら一から身につけていったものなので、完全オリジナルとなっています。

なので中にはひょっとしたら違う部分もあるかもしれないですが、概ね正しいはずなので参考にして頂ければ幸いです。

*天天象棋

まだこのサイトでは紹介していないですが、世界で最も人気のあるシャンチーアプリです。中国のアプリなので全て中国語で、利用するには微信(wechat)かQQの登録が必要と日本人にとってはハードルが高いですが、機能も豊富で利用者も多い素晴らしいアプリです。

ルール

掲棋の初期状態では、下の画像のように互いの王様である帥と将以外の駒は全て裏返って見えない状態になっています(これがうつぶせシャンチーと呼ばれる所以です)

ここからシャンチーと同じように紅から順番に一手ずつ交代で駒を動かしていきます。

裏返っている駒シャンチーの初期配置にある駒と同じ動きをします。(例えば右下のシャンチーの初期配置で車の位置にある駒は車と同じ動きができます。)

一度動いた駒は移動先で表にひっくり返し、それ以後は書かれていた駒としてシャンチーと同じように動きます(例えばひっくり返して砲だったらそれ以後は砲として動きます)

ただ士と相はシャンチーと違い、中央の河を渡って敵陣に入れます。

帥と将はシャンチー同様九宮から出ることはできません。

互いに手を進め、先に相手を詰ましたほうが勝ちです。

なお相手のまだ表になっていない駒を取った場合、自分は相手のその駒が何であったか確認できますが、相手には何が取られたか分からないよう伏せたまま盤外に置きます。

逆に言えば、自分の裏の状態の駒を取られた場合、その駒の表が何だったか分からないままその後の対局を進めないといけないということです。

以上が掲棋のルールです。

その他ここに書いていない細かいルールで迷ったら、基本的に全てシャンチーと同じと思ってもらって大丈夫です。

運と実力

掲棋は初期状態では全て駒が裏返っており、表に何と書かれているかは分かりません。

そのため特に序盤は運の要素が強くなっています。

ただ表になった駒が増えるにつれ、駒の運用力(そもそものシャンチーの力)や裏の状態で残った駒の推理力などが重要になっていき、実力が問われてくるゲームです。

運と実力の割合を個人的な体感で言えば、「3:7~4:6」くらいかなと感じています。

はっきりした数字は難しいですが、運より実力の方が重要なゲームということは恐らく間違いないでしょう。

それでは次回以降、掲棋の具体的戦略についてお伝えしていきます。

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