前回の記事では天天象棋の基本的な使い方を紹介しました。
今回はその中でも最もメインとなる対戦機能「棋力評測(棋力评测)」について、クラスごとのレベルの目安を紹介していきます。
シャンチーの競技人口が少ない日本だと、自分が今どれくらいのレベルなのかを知るのが中々難しかったりするので、この棋力評測でのクラスは便利な目安だと思います。
皆さんも自分やライバルが今どのレベルなのかを確認してみましょう!
目次
考慮すべき点
具体的なクラスごとのレベルの紹介に入る前に、いくつか考慮しておいてほしい点を紹介しておきます。
評価方法
クラスごとのレベルについて中国の検索サイトで調べるとそれなりに目安が出てきますが、公式に発表された明確な指標があるわけではありません。また天天象棋の仕様の変更もあり、時期によっても評価は少し変わってくる部分があると思います。
そこでこのサイトではこうした評価を参考にしながら、管理人の経験を元に最新の評価を作成しました。なるべく正確な評価になるよう考えましたが、中には主観的な部分があるかもしれません。
また評価の指標として「将棋だったらどれくらいのレベルに相当するか」という点も入れているので、将棋ファンの方向けにはなりますが目安にして頂ければと思います。
早指しへの対応力
この「棋力評測」は15分+一手5秒加算で、一手は最大1分半以内(最初の3手は30秒以内)に指すというルールで、これは早指しに分類される時間設定です。
そのため普段じっくり考えて指すタイプのプレイヤーだと、この棋力評測では時間に追われ本来の実力より低いクラスになってしまうことも考えられます。
決して短すぎる時間設定ではないので極端なことにはならないと思いますが、本来の実力より2つくらいクラスが下になってしまう可能性はあるでしょう(例:本来の実力は7ー3相当だが、棋力評測では7-1など)
十分な対局数が必要
今新たに棋力評測を始めると「学1-3(-160点)」からのスタートです。ここから上位クラスまで上がろうとすると、実は結構な対局数が必要になります。
そのため対局数が少ないプレイヤーのクラスは本来の実力が反映されていない可能性が高く、あまり参考になりません。
おおよその目安ですが、棋力評測で大体300局以上指しているプレイヤーのクラスはその人の実力が十分に反映されていると言えるでしょう(「华山论剑」や「5/10/20分钟场」での対局も対局数にカウントされるので、注意が必要です。)
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クラスごとの評価
前置きが少し長くなりましたが、ここからが本題のクラスごとの評価です。
学1-1~学1-2 ルールだけ知ってるレベル
これらのクラスはルールだけ知ってるレベルです。
最初の持ち点より点数が低くなっている状態なので、シャンチーのルール覚えてとりあえず実戦をやってみたというレベルでしょう。
学1-3~学3-3 入門レベル
これらのクラスは入門レベルです。
相手の駒を取ったり、取られそうな自分の駒を逃げたりといった最低限の駒の運用力があります。また簡単な形であれば詰まして勝つこともできます。
业1-1~业3-3 初級レベル
これらのクラスは初級レベルです。
多少なりともシャンチーの勉強をしたことがあり、簡単な手筋や殺法を理解しています。
ただ深く計算することはできないので、局面は行き当たりばったりになりがちです。
业4-1~业4-3 初級卒業レベル
これらのクラスは初級卒業レベルです。
簡単な手筋や殺法の理解に加え、局面の形勢判断や駒の効率も意識できるようになります。
ただそれらの技術的な水準はまだ引くく、中級一歩手前といったレベルです。
业5-1~业6-3 中級レベル
これらのクラスは中級レベルです。
簡単な開局の知識があり、一般的な手筋に加え残局や殺法の知識もある程度知っています。
局面を見たときその場だけでなく、3~5手先の形勢を考えながら指すことが出来るレベルです。
将棋で例えるなら、
业5-1~业5~3がアマ6級~5級
业6-1~业6~3がアマ4級~3級
といったところでしょう。
业7-1~业7-3 中級卒業レベル
これらのクラスは中級卒業レベルです。
业6ー3までは遊びとしてのシャンチーといった感じですが、业7以上になると技術を競う競技としてのシャンチーといった印象に変わります。
そのためこのレベルに到達するには相応の学習と実戦経験が必要となるでしょう。
このクラスのプレイヤーになると、得意な開局に関しては途中までしっかり布局通り指すことができます。
また時々読みの入った鋭い手や計算された好手順も見られるようになります。
ただ全体的には知識や技術にまだムラがあり、上級者一歩手前といったレベルです。
将棋で例えるならアマ2級~1級といったところでしょう。
业8-1~业8-3 上級レベル
これらのクラスは上級レベルです。
シャンチーにおいて理解しなければならない基本事項は一通り全て習得しており、安定して高いパフォーマンスを発揮することができます。
読みの面でも7手以上先を意識しながら指すことができ、大きなミスの頻度は少ないです。
このクラスにいれば自分はシャンチー上級者だと胸を張って言うことが出来るでしょう。
将棋で例えるならアマ初段~2段で、もっと具体的に言うなら
业8-1が標準的な市(人口10万人くらい)の大会で上位入賞が狙えるレベル
业8-2が標準的な市の大会で優勝争いができるレベル
业8-3が標準的な市のチャンピオンレベル
といったところだと思います。
业9-1~业9-3 最上級レベル
これらのクラスは最上級レベルです。
開局・中局・残局のいずれの段階でも高い技術を持っており、特に得意な開局についてはかなり深く掘り下げて研究しています。
また大きなミスの頻度は非常に低く、小さなミスが勝敗に直結するシビアな戦いをしているのがこのクラスです。
このクラスに到達するには、基本事項の十分な理解に加え専門的な学習が必要で、相当な努力が必要となるでしょう。
将棋で例えるなら
业9-1がアマ3段 標準的な県の県大会ベスト16レベル
业9-2がアマ4段 標準的な県の県大会ベスト4レベル
业9-3がアマ5段 県のチャンピオンレベル 奨励会級位者レベル
といったところでしょう。
神1-1~ プロレベル
神のクラスにいるプレイヤーはプロレベルです。
どんな開局でも理解が非常に深く、局面の急所を素早く見抜く力や、残局における細かな計算力などどれを取っても天下一品です。
恐らくアマチュアプレイヤーが努力次第到達できる限界は业9までで、神に上がるには少なからずシャンチーの才能が必要になってくるでしょう。
この神のクラスは神1-1~神2-3までありますが、比較的最近作られた(以前は业9-3が最高位)ため、神のクラス内での実力の差異はまだはっきり現れていないように感じます。
またこの記事を書いている時点では、私が見たプレイヤーの最高位は神1-2です。
今後時間が経つにつれ神の中でも実力分布がはっきりしてくるかもしれませんが、現時点では「神」とひとくくりにして問題ないでしょう。
将棋で例えるなら
プロ棋士、奨励会有段者、アマ全国大会ベスト16レベル
といったところです。
まとめ
以上がクラスごとのレベルの目安です。
初心者の方はまずは业5-1を、中級者の方は业8-1を目指すのが良いのではないかと思います。
目標を持つことはモチベーションの維持にもつながるので、皆さんもぜひ棋力評測で上のクラスを目指して頑張ってください!