この記事では、前回に続いて殺法紹介④で解説した「二鬼拍門」「側面虎」「双将殺」「対面笑」の4つの殺法の応用問題とその解答・解説を掲載しています。
前回と手数の長さはさほど変わらないですが、難易度はアップしているのでじっくりと考えてみてください。
問題㉕
基本的には殺(詰めろ)をかけながら詰みに導く問題。
ただ最終手以外に途中1手だけ紅がジャンをかける手あり。
模範解答は11手詰め
問題㉕の解答
- 兵六進一 士4進5
- 馬一進二 砲2退3
- 馬二退四 砲2平4
- 兵六進一 士5退4
- 馬四退六 卒2平3(なんでも可)
- 馬六進七 (紅勝)
まずは初手で兵六進一とし、二鬼拍門の形で殺を見せます。
これに対して士6進5だと馬一進二が次に兵四進一、士5退6、馬二退四の三手詰めを見せた殺ですが、黒に受ける手がないため正解手順より早く詰んでしまいます。
士6進5以外に砲2平4もありますが、同じ理屈で早詰みです。
正解手順の士4進5だと砲2退3の受け手があるので一見助かっているように見えますが、3回合(5手目)の馬二退四が絶好手。
兵六進一があるので黒は士5進6とは取れないですが、放っておくと兵四平五の双将殺があるので黒は大変です。
砲2平4と捨て身のジャンが精一杯の粘りですが、冷静に取って馬四退六が再び絶好手となり、何を指しても卧槽馬に入る馬六進七が受からず、紅の勝ちとなります。
この問題は中級にしては難しめだったと思うので、解けなくてもめげずに次の問題に進みましょう。
問題㉖
7手詰め
問題㉖の解答
- 兵七平六 将4進1
- 車八退二 将4退1
- 馬五退七 将4退1
- 車八進二 (紅勝)
初手の兵七平六が妙手で、これさえ思いつけばあとは割と簡単な問題。
士で取ると馬五進四で帥が利いているため一手詰み。
そのため将で取るしかないですが、車八退二から側面虎の典型的な形に持ち込んで詰め上がりとなります。
問題㉗
11手詰め
問題㉗の解答
- 車七進一 砲4退2
- 車七平六 将5平4
- 車四進一 将4進1
- 砲七平六 士5進4
- 車四平六 将4退1
- 馬六進七 (紅勝)
黒陣はいかにも危なそうな格好で、紅に一手余裕があれば簡単に必至(次に必ず詰む状態)がかかりそうな局面です。
ただ実際には紅陣にも余裕がなく、即詰みでないと逆に負けてしまうのが難しいところ。
3回合(5手目)の車四進一がポイントとなる好手で、士5退6と普通に取ると、砲七平六で即詰みになってしまいます。
よって逃げるしかないですが、5回合(9手目)車四平六で将を下段に落とすのが上手いテクニック。
馬六進七が砲だけでなく馬でもジャンがかかるようにすることで、黒は一度に両方は受けれず双将殺の詰め上がりとなります。
なお、5回合(9手目)は普通に車四退一でも正解です。
車を捨てるほうが芸術的ですが、実戦では読み間違いもあるのでこちらのほうが無難かもしれませんね。
問題㉘
9手詰め
問題㉘の解答
- 車七平四 砲5平6
- 車三退一 将6退1
- 車四進五 士5進6
- 車三進一 将6進1
- 車三平四 (紅勝)
初手の車七平四に対し士5進6は、車四進五、将6平5(将6進1は車三平四で即詰み)、車四平五、将5平4、馬三進四の順で正解手順より1回合早く詰んでしまいます。
よって黒は砲5平6としますが、一度車三退一をいれてから車四進五と車を捨てるのがポイント。
2回合で単に車四進五だと、将6進1と将で車を取られ詰まなくなってしまいます。
後は中央を帥が抑えているので、対面笑を生かし車と馬で将を追い詰めれば詰め上がりです。
しっかり読みきれたでしょうか?
コメント
楽しかったです(*’▽’)
いつも更新ありがとうございます!
次も楽しみにしています~!