シャンチー上級者向け殺法チャレンジ問題の第3回です。
今回は7手詰めと9手詰めの問題が計4題になります。
手数はそれほど長くないですが、思いつきにくい手を含んだ問題が多いので、頑張ってチャレンジしてみてください!
問題⑨
9手詰め
問題⑨の解答
- 砲一進三 後砲退2
- 兵六進一 士5退4
- 車六進四 将5平4
- 車三平六 将4平5
- 砲二平五 (紅勝)
初手の砲一進三に象5退7は兵六平五の一手詰めなので、ここは後砲退2の一手。
次の兵六進一が少し思いつきにくい好手で、以下車捨てから最後の砲二平五のときに黒は士も象も動けないので悶殺となります。
とりわけ象が動けなくなっているということは見落としやすいですし、これだけ車や砲が敵陣に迫っている状態ではこの詰め上がりは想像しづらいですよね。
なお兵六進一の代わりに兵六平五と士を削るのが恐らく多くの人の第一感のような気がしますが、これだと車三進二、将5退1で攻めが続きません。
「簡単そうで難しい」そんな問題だったのではないでしょうか?
問題⑩
7手詰め(途中ジャン以外の手が複数あり)
問題⑩の解答
- 馬四進二 車7進1
- 砲七退七 車7平8
- 砲七平六 車8進4(なんでも可)
- 砲六進七 (紅勝)
手数は短めでしたが、どう手をつけて良いか難しかったのではないでしょうか。
2回合(3手目)の砲七退七が好手で、これは退四などと浅めに引いても大丈夫ですが、3回合で車8進6とジャンをかける手があるので手数が少し長くなります。
また砲七退八などと引きすぎたら、3回合車8進6、帥四退一、車8平4で今度は詰まなくなってしまうため注意が必要です。
砲を引いたあと、砲七平六、砲六進七の攻め方は盲点になりやすく、実戦でもあまり出くわさない珍しい形だと思います。
局面が上手く出来すぎているので問題のために作ったパズルといった感じがしますが、こういったことができるところにもシャンチーの奥深さを感じますね。
問題⑪
9手詰め
問題⑪の解答
- 車九平六 馬3退4
- 馬三進二 将4進1
- 砲五平四 砲5平6
- 前砲平六 砲6平5
- 砲六進四 (紅勝)
この問題はぱっと見それほど難しくなさそうなのですが、多くの人が3回合黒に砲5平6とされたあと、どうすれば良いか分からず行き詰まったのではないかと思います。
ここではちょっと見えにくいですが、前砲平六が相手の形の隙を突いた絶好手で、次に砲六進四とすれば黒は中央の馬が全く動けないのでそのまま詰みになります。
普通は重砲での詰みを考えるので、この発想はなかなか浮かびづらいですよね。
ちなみにほぼ同じ発想なのですが、初手の車捨てを保留する指し方でも同じ9手で詰むのでこちらも紹介しておきます。
- 馬三進二 将4進1
- 砲五平四 砲5平6
- 前砲平六 砲6平5
- 砲六進四 車4進1
- 車九平四
この手順を思いついた方も正解です。
問題⑫
9手詰め
問題⑫の解答
- 馬七進六 馬6退4
- 車二平五 将5平6
- 車五平四 将6平5
- 砲七平五 卒6平5
- 車四進一 (紅勝)
黒は士と将の形が悪いので、紅は砲七進五の即詰みの手を生かしながら攻勢をかけます。
ジャンをかけながら車を四路に移動させたあと、4回合(7手目)の砲七平五が見落としやすいタダ捨ての妙手。
黒は取るしかないですが、帥の進路が開いたので今度は車四進一が盲点になりやすい砲と車の双将殺による詰みとなります。
結局開始時に左辺にあった馬砲はいずれも捨て駒で、詰め上がりは非常にシンプルな形になりました。
なかなかこの詰め上がりは想像しづらかったのではないでしょうか?