残局とは?
「残局(ざんきょく)」とは、シャンチーにおける終盤戦のことを言います。
シャンチーでは取った駒が使えないので、戦いが序盤(開局)⇒中盤(中局)⇒終盤(残局)と進むにつれて盤上にある駒の数が減っていきます。
互いに少なくなった駒を上手く使って、最終的な勝負をつけるのがこの残局段階です。
それだけに、残局の力はシャンチーを指す上で非常に重要なものになります。
実用残局を学ぼう
残局での力の差が、シャンチーの最終的な勝負の結果につながることを先ほどお話ししました。
では残局の力はどう身につければ良いのでしょうか?
おそらく日本の将棋経験者の方だと、終盤力は「実戦」と「詰め将棋」で鍛えるものというイメージを持たれている方が多いと思います。
もちろんシャンチーにおいても「実戦経験」と「殺法問題(将棋でいう詰め将棋に近いもの)」は残局の力を鍛える上で非常に重要です。
しかしシャンチーの残局の力をつけるにはそれだけでは不十分で、それらに加え「実用残局」の学習が必須の項目となります。
実用残局とは、残局段階(終盤戦)で残った駒の種類や枚数のパターンごとに、その状況でどちらかが勝てるのか、それとも引き分けなのか理論的に分析したものです。
将棋経験者が実用残局について聞くと「そんなもの実戦の中で考えれば良いじゃないか」と思うかもしれません(私も初めはそう思っていました)。
ですが実用残局の知識はいくら実戦を何百局と指したからと言って自然に身につくものではなく、面倒くさくても知識として体系的に学ばないと成長しないんです。
例えば次の局面を見てみてください!
紅はこの残局で勝てるでしょうか?
ぱっと見わりと難しそうな局面ですね。
ただもし実用残局の知識がある人であれば、数秒で「紅必勝」と判断できてしまいます。
それは「双車(2枚の車)対単車(1枚の車)+単欠象(象が1枚欠けている)」は必勝という実用残局の知識を事前に学んで知っているからです。
実際にこの局面から詰みになるまでは、まだまだ20回合(40手)以上かかります。
なのでこれを実戦の中で時間内にすべて読み切るというのは、ほぼ不可能に近いくらい難易度の高いことです。
このことからも分かるように、「困ったら実戦の中で考えよう」という姿勢では実戦の残局勝負ではなかなか対応できないですし、いつまで経ってもしっかりとした残局の力をつけることができません。
実用残局の知識がベースにあることが、残局を強くなる上では必ず必要になってくるんです。
少し長くなってしまいましたが、実用残局を学ぶ重要性が分かって頂けたでしょうか?
残局記事の構成
最後に当サイトの残局記事の構成についてお話しようと思います。
当サイトでは、「残局入門」「残局基本」「残局中級」「残局上級」と4つにクラス分けして投稿する予定です。
まず「残局入門」では、通常の残局本では当たり前ということで載っていないような基礎の基礎の形から1つずつ丁寧に紹介していきます。
次に「残局基本」では、残局の基本知識として必ず知っておきたい実用残局のパターンを紹介していきます。「初級」ではなく「基本」としたのは、誰もが知ってるな有名な基本知識でも、しっかり理解するのは決して簡単ではないからです。
さらに「残局中級」では、誰もが知っている基本知識ではないものの、知っておきたいやや難しめの残局パターンを紹介します。
最後に「残局上級」では、理解するのに時間がかかる難易度の高い残局パターンを紹介します。
これから新たに残局の勉強を始める方は、ぜひ「残局基本」まではマスターできるように頑張ってください。
ここまでしっかり理解できれば、楽しんでシャンチーを指す分には残局で困ることが少なくなるでしょう。
またもっと力をつけてシャンチーが強くなりたいという方は、積極的に「残局中級」[残局上級」も勉強してみてください。
このあたりの残局理論までしっかり理解して指せるようになれば、どんな相手でも自信を持って残局を戦えるようになると思います。