前回の投稿でシャンチーがどんなゲームなのかを簡単に紹介しました。
ここからはより具体的にシャンチーで使う道具や、シャンチーのルールについて紹介していきたいと思います!
シャンチーで使う道具
シャンチーをする上で必要な道具は、盤と駒の2つです。
下の画像がシャンチーの初期配置ですが、盤の上に紅(赤)と黒それぞれ16個ずつ計32個の駒が置いてあります。
*シャンチーでは赤のことを「紅」と表現します。読み方は「あか」でOKです。
プレイヤーはそれぞれ紅と黒に分かれて、それぞれ自分の駒を動かしながら戦いを進めます。
ここで注意すべき点は、駒の向きではなく駒の色でどちらのプレイヤーの駒かを判断しているということ。
日本の将棋の場合ですと、駒の向きでどちらの駒かを判断するため、盤上の駒は常に綺麗に向きをそろえて並べられていると思います。
しかしシャンチーの場合は駒の色での判断なので、実際の対局では駒の向きがバラバラで、相手の駒なのに自分の方を向いているなんてことも珍しくありません。
そのため将棋経験者がシャンチーを始めるときは、慣れるまでは「駒の向きではなく色」ということを意識して対局するのがいいでしょう。
盤の解説
次に、シャンチーで使う盤について解説していきます。
シャンチーの盤には多くのマス目がありますが、駒を置くのはマス目の中ではなく、線と線との交点です。
この点は囲碁と同じで、日本の将棋とは異なります。
さらに盤上は下の画像のように自陣・敵陣と分けられます。
あいだの黄色く囲った部分は河界とよばれる大きな川で、対局には関係ありませんが、自陣と敵陣を隔てる境界としてシャンチーの盤上に必ず記されています。
また盤面をよく見ると、自陣・敵陣双方に、斜めの線も加わった9つの交点を見て取れると思います。
これを九宮といい、シャンチーにおいては城や宮殿のように王様の本拠地を意味する範囲です。
シャンチーにはこの9地点の範囲の中でしか動けない駒がいるため、他と区別できるよう斜め線が引いてあります。
またシャンチー盤の上下に漢数字と算用数字でそれぞれ「一、二・・九」「1、2・・9」と書かれていますが、これは棋譜を付けるときの目盛りです。
棋譜の付け方についてはまた別の記事で詳しく説明しようと思います。
紅と黒について
シャンチーが紅と黒に分かれて戦うゲームということはなんとなく分かって頂けたかと思います。
両者には若干名称が異なる駒があるものの、駒の動かし方は全く同じで差はありません。
そんな中で唯一決定的に違うのが、必ず紅が先手で黒が後手というところ。
もう少し砕いて言うと、ゲーム開始後最初に駒を動かすのは必ず紅の側のプレイヤーということです。
ちなみにシャンチーでは紅のほうが黒より若干有利と言われていますが、その差はわずかです。中級者レベル以上になるまではほとんど気にする必要はないでしょう。
取った駒は使えない
シャンチーでは戦いを進める中で、相手の駒を取る場面がほぼ必ず出てきます。
しかし一度取った駒は二度と盤上に戻して使うことはありません。
この点は日本の将棋と決定的に異なる点です。
したがってシャンチーの対局のなかでは、ゲーム開始から終局までの間で戦いが進めば進むほど盤上の駒の数は減っていきます。
上の画像は、激しい戦いを経てついに決着がついた状況の一例です。
ゲーム開始時には紅黒合わせて32個あった駒が、3個まで減っていることが分かります。これでも決着がついており、紅の勝ちです。
したがってシャンチーでは安易に駒を取られて戦力不足になっても補充することはできないので、プレイヤーは慎重に戦いを進めなくてはいけません。